ざぼん長崎カステラ事件。

岸本家の、家族ネタが続きます。
今日は、わたくしの妹の小話。
なかなか際立ったキャラなのでご紹介をしたいと思います。

それは、妹が中学生のときでした。

修学旅行に九州は長崎に行ったらしいのです。
とても楽しみにしていたらしく、帰ってきたときには、
たくさんのお土産を披露していました。

  • 近所に差し上げる分
  • 家族の分
  • そして、自分の分

誇らしげに冷蔵庫に入れ、ルンルンしながら日々楽しんでいました。

事件は1週間後に起きた

…一週間後。
実家に7名の来客の予定があった母。
お茶とおやつを何にしようか考えていました。

そして、冷蔵庫を探してみると。
一週間前妹が買ってきていたカステラが一本のこっているではありませんか!

これはちょうどいい、
一週間もたって、食べてないので忘れてるだろう、
今日の人数で割ると丁度なくなるし、良いな。
こちらをいただくことにしよう。

良いアイディアを思いついたとばかりに、
午前中の来客に
「次女が修学旅行いってね〜お土産でね〜」と、ざぼん味のカステラを
出してしまったそうです。

・・・

その日の午後、事件は勃発しました

妹が中学校から帰宅します。
「ただいま〜〜〜〜〜〜!!!!!」
元気よく玄関をあけ、
靴を脱ぎ、早々にリビングキッチンに駆け込みます。

その時点で、彼女は異変に気付きました。
ざぼんの包装紙がこともなげに捨ててあるゴミ箱。
お茶を出したであろう、痕跡の炊事場。

嫌な予感が彼女を襲います。
勢いよく冷蔵庫を開け、前方後方上下左右目視確認後、
一瞬で事を理解します。

しかし、人間受け入れがたい現実は往々にして
理解に時間がかかります。

こみ上げる激情を必死に抑えて母に聞きます。
「わたしのざぼんは?!」

母「え・・・?!食べたかった?一週間も置いてあったし、他に数本カステラあったから
それは興味ないんだと思って・・・食べちゃった!!」

妹「・・・・・・・・」

キッチンのカウンター越しに話していた母と妹。

バタン!!!

突如、母の視界から妹が消えました。…焦る母。

中学の制服を着たまま、ボストンバックを抱えたまま、
三つ折りの白ソックスを履いたまま、
妹は大の字になって床に突っ伏しています。

母は何事かと、急いでそばに駆け寄ります。
手足をバタバタさせる妹。
まずは声かけ生存確認を。「あ・・・・ご、ごめん、ダメだった?」

・・・

・・・・しばしの沈黙の後、

・・・・・

「(声にならず)うわぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああんん!!(大泣)」

「食べたかったのに〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」

「ざぼん味が、食べたかったのに〜〜〜〜〜!!!!!」

「最後に残しておいたのに〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」

・・・

突っ伏したまま大声で泣き叫ぶ
中学生女子。
最後に残しておいたものが消えてしまった悲劇です。

どうしたらいいかと、オロオロする母。
急がば回れ、です。ひとまずそっと見守りましょう。

・・・しかし、数分たてどやまないので、苦笑いしながら、声かけを続けます。

「あの〜。もしも〜し…」

嗚咽を続ける妹。

ようやく我にかえった。

10分たったころでしょうか。ついに観念したのか、
妹自身も半笑いで、起き上がってきます。
どうやら、泣いているうちに、『なんで私中学にもなってこんなことで泣いてるんだろう?』と
淡い疑問が頭をかすめたらしく、なんだかバカバカしくなってきたらしいのです。
事態の収束、そして和解のためには、起き上がらなければならない。
その使命感で全身の力を振りしぼり、何とか起き上がります。

閑静な住宅街、午後の穏やかな時間。
キッチンにて苦笑い向かい合う、中学生・娘と母親。

娘は泣き腫らして目は充血し、
まぶたが真っ赤に腫れあがっています。

協議の結果。

この後、両者和解のため歩み寄り協議が重ねられ、
対策が決定したようです。

”ないもんしゃーない”です。
建設的に次なる手段を考えるほかない。

というわけで、
後日通販でざぼんカステラを取り寄せた母。

満足げにほおばる妹。

無事、事件は収束を迎えたそうです。

そんな妹も、今や二児の母。
元気いっぱいの子供たちの子育てに追われています。あの事件の事を聞くと、今でも苦笑いで語ってくれます。全力で生きていた証拠ですねw

もちろん、この話を聞いた家族はその夜大爆笑しました。

岸本幸子

PS
いまでも、実家には長崎カステラからの販促DMが
定期的に届くらしく、それを見るたびに母はこの事件を思い出して
苦笑いを浮かべるそうです。

あれから10年以上経ったいまでも、DMが届くって、すごい事です。
その度に強烈に思い出が蘇り、このカステラの事を思い出すからです。
存在しないと、ないのと同じ。

頭の中にないと、買いたくても買えません。
去年食べた、カステラの種類なんて覚えていませんが、
『ざぼん長崎カステラ』は、1度の強烈な印象と、その後の定期的なDMによって、母の頭の中にずーっと残ることでしょう。

 

DMを送り続ける事。

ざぼん長崎カステラ事件。

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